■ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー  ■メデューサ  ■フライト・パターン

■TOHOシネマズ日比谷(コヴェント.ガーデン,2019.5.16収録)
□ウィズイン.ザ.ゴールデン.アワー
■振付:クリストファー.ウィールドン,音楽:エツィオ.ボッソ,アントニオ.ヴィヴァルディ,衣装:ジャスパー.コンラン,指揮:ジョナサン.ロウ,出演:ベアトリス.スティクス=ブルネル,フランチェスカ.ヘイワード,サラ.ラム他
■7組ダンサーがヴィヴァルディの音楽、暖色系照明と色彩を背景に動く姿を前にするとダンスを観る喜びが湧き起こってくる。 「画家グスタフ・クリムトの影響が大きい」。 振付家の言葉通り衣装はクリムトそのままだ。 物語は観客に任せると言っていたが6章前後の構成には核が無い。 抽象と具象の間でうろうろしてしまう舞台だった。 男性ダンサー二人の登場する4章(?)は躍動感があった。
□メデューサ
■振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ,音楽:ヘンリー.パーセル,電子音楽:オルガ.ヴォイチェホヴスカ,衣装:オリヴィア.ポンプ,指揮:アンドリュー.グリフィス,出演:ナタリア.オシポワ,オリヴィア.カウリー他
■ギリシャ神話メデューサを題材にしている。 振付が物語を膨らませる。 衣装もなかなかのものだ。 哀愁を帯びたテノール歌唱が感情の方向性を示していた。 人物相関がうろ覚えだったのでいつのまにか終わってしまった感じだ。
□フライト.パターン
■振付:クリスタル・パイト,音楽:ヘンリク.ミコワイ.グレツキ,指揮:ジョナサン.ロウ,出演:クリステン.マクナリー,マルセリーノ.サンベ他
■36人のダンサーは酷寒の労働者風身なりで登場する。 群衆の動きは最後まで崩さない。 場面ごとに入るアクセントが計算されつくしている。 演劇の一場面をみているようだ。 しかしダンサーの顔が識別し難いので物語を引き寄せることができない。 しかも核となる場面が無い。 これは最初の「・・ゴールデン・アワー」でも言えた。
久しぶりのトリプルビルだったがどれもマアマアの印象だ。 どれも決定打が押し寄せてこなかった。
*ROH英国ロイヤル.オペラ.ハウス シネマシーズン2018作品
*作品サイト、http://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=within-the-golden-hour
*2019.6.30追記、「・・ゴールデン・アワー」「フライト・パターン」が何故ツマラナカッタのか? 理由の一つとして・・、映像(映画)に撮ると照明が劣化し舞台の微妙な感性が伝わって来ないからだとおもう。 暗さを主張する照明は特にそうだ。 2作品の生舞台を一度観たい。 映画と比べてぐっと良くなるはずだ。