■カルメル会修道女の対話

■作曲:フランシス.プーランク,指揮:ヤニック.ネゼ=セガン,演出:ジョン.デクスター,出演:イザベル.レナード,カリタ.マッティラ,エイドリアン.ピエチョンカ他
■東劇,2019.6.7-13(MET,2019.5.11収録)
■一幕初めから主人公ブランシュの父と兄の対話で始まる。 そして修道院長クロワシーとブランシュの入会時の対話、ブランシュと同僚コンスタンスの仕事中の対話、臨終の修道院長とブランシュ、と続いていくの。 歌うように話すのではなく話すように歌うのでもなく話すように話すレチタティーヴォね。 タイトル通りの内容だわ。
「徳を求めるのではない」「ここは祈りの場」。 宗教談義が並ぶけど修道院長臨終の言葉「修道歴30年を越えているのに、この時に及んで、それが役に立たない!」は重く伝わってくる。 (今まで何をやってきたんだ!) 主人公役イザベル・レナードはコンスタンス役エリン・モーリーと大学時代からの友人らしい。 舞台上の二人の対話ではソプラノが強い。 宗教歌詞はソプラノが身体に強く伝わる、この作品は特にね。 しかもレナードは修道者が似合わない。
後半はフランス革命政府が修道者へ死刑宣告よ。 一人一人断頭台へ歩いていく修道者たち・・。 そこへ一人逃げていたブランシュが群衆の中から現れるの。 そして彼女も断頭台へ。 ブランシュの行動がよくわからない後半だった。 彼女は修道会の人ではなかったと思う。 作曲家プーランクは両親の影響から結局は逃げられなかったことがブランシュの行動に現れているのかも。 彼は逃避の代理人を作品内に作っていたから現代音楽を含め多様な分野を歩き回ることができたのね。
*METライブビューイング2018作品
*作品サイト、https://www.shochiku.co.jp/met/program/861/