■キネマと恋人

■台本・演出:ケラリーノ.サンドロヴィッチ,映像:上田大樹,振付:小野寺修二,出演:妻夫木聡,緒川たまき,ともさかりえ他
■世田谷パブリックシアター,2019.6.8-23
■舞台と映像は切り離せない時代ですが映画は珍しい。 しかも劇と映画が対等な劇中映画ですね。 江戸時代にも関わらず時空が一緒とは! 「カイロの紫のバラ」は映画中映画のため難易度は今回の方が上でしょう。 特に後半の映像と舞台とのやり取りは完全シンクロしていて楽しかった。 ところで一人二役の高木高助と間坂寅蔵の同時登場で仮面を付けたのは他に方法がない?
そして場面切替でダンスが入る。 小野寺修二で見ることができたのはサプライズです。 小道具を動かす振付は唸らせます。
姉妹揃って映画俳優に振られたのは気にかかりました。 妹ミチルと俳優嵐山進の破局は分かるが、姉ハルコと高木高助が一緒になれなかったのは納得いかない。 高木は俳優として成功の道が見えてきたからハルコを捨てたのでしょうか? 彼女は衣装といい仕草といい昭和モダンですね。 緒川たまきが演じましたが言うことなしです。 東京へ上京したいのに既に東京以上でした。 ところでハルコの喋り方はどこの方言でしょうか? この訛りで彼女は別世界にいるようでした。 映画をここまで舞台に乗せるとはウディ・アレンもビックリでしょう。
*劇場サイト、https://setagaya-pt.jp/performances/kinema2019.html