■マネキン人形論

■原作:ブルーノ.シュルツ,演出・出演:勅使川原三郎
■カラス.アパラタス,2019.6.17-25
■作品名から、これは面白いはずと直感したの。 ダンスと人形は切り離せないからよ。 はたして期待通りの舞台だった。 幕開きの鏡ガラスの割れる音が空間を凍らせる。 気になっていた振付のすべてを出し尽くした80分だった。 終幕のスリット照明とのせめぎ合いは緊張感が走る。 実は閉所恐怖症なの。
舞台には人形が三体、その中の一体は人形に見えない。 でも一度も動かない。 この動かないダンサーに照明が当たると気になる。 やはり人形? ほかに手動ミシンが置いてある・・。 80分を踊り続けるのは強靭な体力が必要ね。 それが観客にも乗り移るから大変! 60分くらいにまとめれば観る集中力が最後まで続くと思う。  
カーテンコールでその人形がダンサーだと分かった時はやはり驚いてしまった。 続きの挨拶で勅使川原はシュルツ論を語る。 原作はなんと小説なのね? 舞台進行で人形やミシンの関係がよく分からなかったのは小説のせいかもしれない。 シュルツについて何も知らない。 調べると彼がポーランド出身と聞いてどこか腑に落ちたわ。 タデウシュ・カントルも彼の影響があったらしい。 ハンス・ベルメールはどうかしら? 人形のことを考え出すと切りが無いわね。
*アップデイトダンスNo.63
*舞団サイト、http://www.st-karas.com/