■どん底

■原作:M・ゴーリキ、演出:鐘下辰男、出演:THE・ガジラ
■笹塚ファクトリー、2011.5.20-29
http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage20819_1.jpg?1434668465
■上手を観客席にしているので下手は奥のある舞台にみえる。 前半は愛憎劇。 セリフは短いが男女間の複雑な背景が凝縮しているので理解しようとすると動きについていけない。 幸いにもセリフに間があったので言葉を一度噛みしめることはできた。
後半は自由を絡めてくる。 観客自身がこの二つに苦い経験を持っていないとすんなり舞台に溶け込めない雰囲気がある。
若い観客が多いなか拍手も無かったのは、武骨な愛憎と自由、酒での連帯強化は馴染まなかったのでは? パンフレットの「私たちの自由と社会を再考」するのにゴーリキは遠い人のように感じてしまった。
演劇博物館「伊藤憙朔と舞台美術」展にモスクワ芸術座「どん底」(1950年)の写真が数枚展示されていた。 俳優の顔かたちや表情がガジラの役者と瓜二つだったので笑ってしまった。 「どん底」を経験すると似てくるようだ。