■ロマン

■作·演出:高井浩子、出演:東京タンバリン
■三鷹市芸術文化センター·星のホール、2011.5.13-22
http://tanbarin.sunnyday.jp/roman/index.html
■階段が部屋にもなるシンプルな舞台、雑踏での役者・照明・音楽の協調ある動き、要点を押さえた日常対話、メリハリある場面切替、リズミカルな時の流れ・・、とても洗練されている芝居ね。計算され尽くしているのを観客にみえるのが弱点くらいかな。
帰り道では、今観て来た舞台を何度も思いだしてみたわ。織物の地から最初は見えなかった柄が浮き出てくるような芝居だった。でもその素晴らしい柄に感動する手前で止まっているような後味ね。原因はただ一つ、それは身体が見えないから。
このように身体性を抑えている芝居は時々観るけど多くは失敗しているわ。でもこれは成功している、ようにみえる。チラシに「劇的でなくててもいい」とあったけど近いところでウロウロしているみたい
小津安二郎は計算尽くしで身体性を抑えて静かな劇的さを出している、・・もちろん映画的劇的と演劇的劇的は違いがあるけど、きっと新しい劇的さを出せるとおもうわ。