■能楽堂五月「御茶の水」「賀茂物狂」

*国立能楽堂五月企画公演の以下の□2舞台を観る.
□狂言・大蔵流・御茶の水■出演:山本則重,山本泰太郎,山本凛太郎
□能・復曲・賀茂物狂■出演:観世清和,福王和幸,福王知登ほか
■国立能楽堂,2025.5.28
■「御茶の水(おちゃのみず)」は若い男女が主人の目を盗み小歌で恋の駆け引きをする話である。 二人は幾つかの歌と舞を披露する。 室町後期の歌謡集「閑吟集」から採られた当時の流行歌らしい。
「賀茂物狂(かもものぐるい)」は夫婦再会物語だ。 「加茂物狂」との違いは前場が復元されたところにある。 前場は神職と女の問答になっている。 これが後場を文学的に厚くしたとおもう。 物語が淡々と進み科白をじっくりと聴き込む作品だから。 しかも今日はシテとワキの声がビシバシと脳味噌まで伝わってきた。 テンポある緊張感があった。 久しぶりに至福の時を過ごせた。 面は「若女」。
*月間特集・在原業平生誕1200年公演
*「能を再発見する」公演