■博士の異常な愛情

■原作:スタンリー・キューブリック(1964年同名映画),演出:ショーン・フォーリー,出演:スティーヴ・クーガン,ジャイルズ・テレラ,ジョン・ホプキンス他
■シネリーブル池袋,2025.5.9-(ロンドン・ノエル・カワード劇場,2025.3.27収録)
■キューブリック監督の映画は数十年前に観ている、・・ソビエト上空で米軍機から投下された原子爆弾に飛行士がカウボーイのようにまたがり落下していく場面しか覚えていないが・・。
米国空軍将校が異常をきたしソビエトへ核攻撃を仕掛けてしまい、大統領と高官がこの対応に四苦八苦する話です。 ブラックコメディだが当時の米ソ対立状況が伝わってきます。
舞台は、反乱軍で混乱している米空軍基地、大統領や高官が対応している国防省戦略室、ソビエトへ向かう爆撃機B52操縦室、この3場面を交互に映し出しながらスピーディーに展開していく。 映像も駆使して緊迫感があります。
核兵器が偶発的に使用されてしまう! この問題を取り扱っている作品です。 現代でもありえる。 しかも複雑化不可視化している。 新鮮な理由でしょう。
人類破滅へ向かっていくなか、似たような場面が積み重なるため舞台が重く鈍くなっていくのがわかる。 次第に飽きてきました。 コメディの粘性も強過ぎるから?
それを吹き飛ばしたのが終幕で歌われる「また会いましょう(We'llMeetAgain)」です。 第二次世界大戦のヒット曲が次大戦でも歌われる。 苦い皮肉を含んでいて効いていました。
*NTLナショナルシアターライブ作品