■奴婢訓

■作・演出:寺山修司,演出・音楽:J・A・シーザー,高田恵篤,美術:小竹信節,出演:高田恵篤,伊野尾理枝,小林桂太ほか,演劇実験室◎万有引力
■座高円寺,2025.5.16-25
■完成度が高い舞台でした。 大掛かりな機械群や巨大な靴なども見応えがあった。 見世物演劇の面白さが出ていました。
しかし、この作品は白ける場面が多い。 話題の繰り返しが続き、ところどころで間延びする為です。
これを避ける為にはコンパクトな劇場で上演するのが良い。 すべてを凝縮させる。 この凝縮力で作品が持っている欠点を解決する。
今回は劇場が合わなかった(と思う)。 この劇場はガラーンとしている。 マイクの声も割れていた。 役者の科白と演技が発散してしまった。 白けを助長していました。 
それとですが、作品の古さが観ていながら伝わってきた。 東北風土や宮沢賢治も、オープンリールレコーダやビクター犬も、すべてが遠い過去からやってきたようにみえる。 でも懐かしさは無い。 モノやキカイそして話題が物語に上手く繋がっていないからでしょう。 寺山のなかでは取っ付き難い作品と言えます。
さいごに、主人と召使の関係台詞を吐き、役者たちが静かに舞台から去っていく。 この場面で寺山修司を微かに思い出させてくれました。
*演劇実験室◎万有引力第78回本公演
*寺山修司生誕90年記念・小竹信節追悼公演
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