■能楽堂十月「鎧腹巻」「雨月」

*国立能楽堂十月定例公演の下記□2作品を観る。
□狂言・和泉流・鎧腹巻■出演:野村萬斎,野村万作,石田幸雄
□能・観世流・雨月■出演:武田宗和,武田宗典,森常好ほか
■国立能楽堂,2022.10.5
■「鎧腹巻」は、主人から「鎧」を買ってきてくれ! 頼まれた太郎冠者はしかし鎧の知識がない。 結局は詐欺師から別物を買わされてしまい・・。  万作萬斎の親子舞台は久しぶりである。
「雨月」は西行法師が住吉神社参詣の途中に宿を借りるところから始まる。 宿の主が歌の下句を詠み、これに上の句を付けたら宿を貸すと言う。 西行は見事に上句を詠む。 そして住吉明神が現れ和歌の徳を讃えて舞を舞う。 その歌は、
「月は漏れ雨はたまれと思ふには、賤が伏屋を葺きぞわづらふ」(撰集抄)
老夫婦が家の中で並んでいる姿、そして住吉明神の憑いた宮人が舞ったあとに醒めて退いていく姿、この二つ場面がとてもよかった。 前シテの面は朝倉尉、後シテが小尉、ツレは姥。