■スカーレット・プリンセス

■原作:鶴屋南北「桜姫東文章」,台本・演出:シルヴィウ・プルカレーテ,出演:ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場カンパニー
■東京芸術劇場・プレイハウス,2022.10.8-11
■原作に忠実な流れの為か歌舞伎を思い出しながら粗筋を追ってしまった。 しかも花道はあるし途中にすっぽんもある。 下座音楽に似せて上手に演奏台も作られている。 まさに歌舞伎だ。
結構ハチャメチャな舞台でオモシロイ。 やはり刀を持つと振り回したくなる。 チャンバラ場面を多くしたいのも分かる。 しかも桜姫は舞踏ダンサーのように白塗りの半裸体で動き回る。 芭蕉の俳句も登場する。 何でもアリだ。
しかしどこか調子がずれている。 舞台からリズムとテンポがみえてこないからだろう。 擬音はあるが演奏は少ない。 ルーマニア語の科白もリズミカルには聞こえない。 お家騒動を強調しすぎた為か主役三人の数奇な運命が薄められてしまった。 原作を知らないと三人に近づけないだろう。
美術や衣装、そして小道具、役者の動きもずれっぱなしで楽しい。 外見はオモシロイが内面がツマラナイといえる舞台だった。
日本語で作ったシェイクスピア舞台を英国の客席から観るとこうなるのではないかと考えながらみていた。 今日の客は年齢層が高い。 プルカレーテ仕様の歌舞伎は受け入れただろうか?
*東京芸術祭2022参加作品
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、プルカレーテ  ・・検索結果は6舞台.
*2022.10 投稿者名を「茶熊赤狸」から「かなへび」に変更しました.