■ジュリオ・チェーザレ

■作曲:G・F・ヘンデル,指揮:リナルド・アレッサンドリーニ,演出:ロラン・ペリー,出演:マリアンネ・ベアーテ・キーランド,森谷真理,藤木大地ほか,管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
■新国立劇場・オペラパレス,2022.10.2-10
■ズボン役とカウンターテナーが混ざり合う舞台は、もうひとつの宝塚版と言ってよいかしら? レチタティーヴォとアリアが延々と続くバロックオペラにたっぷり浸かる4時間だった。 激しいが軽やかで柔らかい演奏が心地よい。
舞台はエジプトの博物館らしい。 古代彫刻や絵画から歌手たちが抜け出して歌い出すという仕組みなの。 館職員には歌手は見えない。 面白い演出ね。 しかも彫刻などの展示物が只者ではない。 新国ならではの物量作戦を展開してくる。 目の驚きにはなるが時代遅れの感も避けられない。 でも先日の「浜辺のアインシュタイン」と同じく映像を使わなかったのは正解、それを使えば生身の身体が蒸発してしまうから。
幕が進むほどに安定が増して言ったかな? 歌手たちも適度な疲労と楽日で気合が入っていた。 カーテンコールでの指揮者の燥ぎようをみて大きな拍手を贈ってあげたわよ。
*NNTTオペラ2022シーズン作品
*2022.10 投稿者名を「白犬黒猫」から「しろいぬ」に変更しました.