■馬留徳三郎の一日

■作:高山さなえ,演出:平田オリザ,出演:田村勝彦,羽場睦子,猪股俊明ほか
■座高円寺,2020.10.7-11
■・・しかし誰が認知症か分からない。 新型コロナの無症状と同じだ。 若者は若年性認知症にされてしまう。 ボケと無症状ボケ(?)の漫才のような流れが続く。 途中、トリオ漫才も入るので観客から笑いが絶えない。 ボケが入ることで嘘と真の距離が激しく動く。 ここが面白い所だ。 
騙し合いが長く続くので後半は判断停止状態になってしまった。 馬留夫婦が高校時代に戻り野球試合のデートを申し込んで幕が下りるが、混沌を絞り込むのが遅かったようにみえる。 ところでシーケンスを繋ぐ野球の実況中継はとても効いていた。
10年後の日本はこのような風景が日常化するのでは?と思うと楽しい不安を感じる。 ボケ観客も増えそうだ。 役者だと思い込み舞台に上がってしまう客もいるだろう。
*青年団プロデュース公演
*尼崎市第7回「近松賞」受賞作品
*F/T フェスティバル/トーキョー連携プログラム
*日本劇作家協会プログラム