■君の庭

■作:松原俊太郎,演出:三浦基,出演:安部聡子,石田大,小河原康二ほか,劇団:地点
■KAAT神奈川芸術劇場.大スタジオ,2020.10.1-11
■大きな雛壇に役者4人が座り一人が壇を押しながら舞台上をグルグル回る仕掛けになっている。 録音しておいた声を取り混ぜた台詞劇に近い。 その科白は訛りも有りいつものリズムも少なく聴き辛い。 天皇を論じていることは分かるが流れが追えない。 こういう舞台はカタルシスも訪れず疲れる。 「群像」が置かれていたがこの状態では読む気がでない。
しかし天皇を考えながら観たのは確かだ。 SEXや糞もする生身の体を持つ一人の人間としての天皇を恭しく持ち上げる社会が不思議だ。 天皇(制)は一つの宗教に違いない。 これを強要されたくはない。
憲法改正がよく話題になるが、国家から天皇(制)を分離すること、憲法から天皇(制)の文言を削除するのが先ずは取るべき順序である。 これで凝り固まっている日本人は裸の民主主義を初めて知ることになり天皇の苦喜も解放される。
*KAATx地点共同制作第10弾