■夏の夜の夢

■原作: W.シェイクスピア,台本:ベンジャミン.ブリテン他,作曲:ベンジャミン.ブリテン,指揮:飯森範親,演出:レア.ハウスマン,美術:レイ.スミス他,出演:藤木大地,平井香織,河野鉄平ほか
■新国立劇場.オペラパレス,2020.10.4-12
■オベロンの一声でびっくり! なんとカウンターテナーなの。 これが妖しげな夜の世界を連れてくるから楽しい。 演奏が歌詞歌唱に寄り添いながら物語を進めていく。 原作原点に戻ったような舞台だわ。 シェイクスピア後期三部作に繋がる静かさを持っている。 この感覚は久しぶりね。 近頃の「夏の夜の夢」はどれもとても騒がしいから。 そして恋人二組の四重唱は盛り上がり劇中劇の素人芝居も本流から離れて異化が効いていた。
美術は高層建築残骸の横に古びた家具や椅子、剥製の虎や骸骨などが置いてある。 ユベール・ロベールの絵を思い起こさせるような古い時間が漂う。 まるで都市遺跡で演じているみたい。 近未来の話は飛躍かしら? 衣装の多くは夜の設定で目立たない。
オペラは8カ月ぶり、しかもこの作品のオペラは初めてなの。 呼吸リズムにマッチしたせいかジワッと心地よさが来てしまった。 そして日本語オペラに最適だと思った。 招聘キャストが入国出来ず日本人に代わったこともある。 原作が生きているので歌手の母語で歌っても映えるはず。 今回の舞台は思い切って日本語にしたら最高だったかもよ↑
*NNTTオペラ2020シーズン作品