■銀河鉄道の夜2020

■原作:宮沢賢治,脚本:能祖將夫,音楽:中西俊博,美術:小竹信節,歌:さねよしいさ子,演出:白井晃,出演:木村達成,佐藤寛太,宮崎秋人ほか,演奏:新澤健一郎ほか
■KAAT神奈川芸術劇場.ホール,2020.9.20-10.4
■歌を聴いたとたん小中学生用の舞台だと気が付きました。 子供に向かって歌っているかのような発声・振付の為です。 原作が童話だから当たり前ですが・・。 観客も二十歳頃の女性が8割を占めている。
大劇場でこの作品を観るのは初めてです。 子供たちの虐めがギスギスしていたのは舞台が広いからでしょう。 役者の動きが大きいので微妙なところが表現できない。 これが<幸い>に結びついていかない。 「まことのみんなの幸いのために」が急に出てきたようにみえてしまった。 でも後半の「蠍の火」あたりから盛り上がりましたね。
大きな振子と黒衣装の乗客が登場した場面では劇団「万有引力」を思い出してしまった。 もちろんオドロオドロしさは有りませんが。 小竹信節の舞台美術と聞いて納得です。 アメユキは淡々とした歌唱にしたほうが原作は活きたのではないでしょうか? そして役者たちも歌ってほしかった。 ところでジョバンニとカンパネルラは風貌も衣装も同じで混乱しました。
この作品は何度か舞台を観ています。 いつも過去を振り返り未来を思ってしまう。 生と死の境界線で演じられる作品は何故こんなにも心動かされるのでしょうか?