■蛇と天秤

■作・演出:野木萌葱,劇団:パラドックス定数
■シアター風姿花伝,2018.10.10-15
■登場人物は大学医学部教員3人と製薬会社社員3人の計6人です。 大学病院で結核感染のため患者8人が亡くなってしまった。 この原因は何なのか?責任を誰が取るのか?否、どう隠すのか?・・?が議論されていく。 大学と製薬会社とのせめぎ合いが進んでいきます。 医者が悪いのか薬が悪いのか? 学内の師弟関係、社内の力関係、大学時代の同期、賄賂、プライドなどが入り混じって次第に組織から個人へと話しは落ちていく。
いや面白いですね。 以前に観た「東京裁判」(2015年)を思い出してしまった。 違いは登場人物一人ひとりが立場や人生を考えながら正義や責任を論じることです。 誰が味方で誰が敵か議論進行で変わってくる。 これをスムースに進める演出家の腕前は確かです。 物語を面白くするため台詞が数か所ほど非連続になってしまったのは致し方ない。
終幕、製薬会社研究員と主任教官の関係が明かされます。 新薬を患者に実験投与したのが大元の原因らしい。 ・・突飛にみえたが、物語としては腑に落ちます。 久しぶりの緊張感ある舞台でした。
*パラドックス定数第43項
*CoRichサイト、https://stage.corich.jp/stage/95056