■かもめ

■作:A.チェーホフ,翻訳:浦雅春,演出:江間直子,出演:無名塾
■シアタートラム,2018.9.28-30
■無名塾を観るのは初めてだ。 以前、仲代達矢の映画「役者を生きる」で無名塾への彼の姿を思い出したからである。
・・なるほど舞台の役者は仲代達矢の息がかかっている。 声の調子や動きに彼のメソドを感じる。 ただチェーホフの持つ何とも言えない哀楽はやって来なかった。 ポリーナとドールン、マーシャとトレープレフの視線の強さ、トレープレフの後半の心の推移が非連続にみえたからだろう。 しかし歯切れのある粗さが面白いところかもしれない。 態度が一貫している年寄り連中は安定した演技で舞台を支えていた。 場面切替えで聴こえてくるロシア語の歌がチェーホフの作品を次々思い出させてくれた。 舞台を観るほどにチェーホフが好きになっていく。
*劇団サイト、http://www.mumeijuku.net/stage/img/flyer-kamome-2018-s.pdf