■君が君で君で君を君を君を

■作・演出:松居大悟,劇団:ゴジゲン
■駅前劇場,2018.10.3-14
■舞台は花柄模様の家具類やぬいぐるみが置いてあり女の子の部屋にみえる。 場面が変わっても部屋をそのまま使うので戸惑ってしまいました。 大学の映画サークルの活動らしく撮影場面から始まる。 幕開きからの10分間は科白が冴えていましたね。 愛についての話らしい。 この話が煮詰まってくると科白に鋭さが衰えたのは残念です。
サークルの銀次に彼女ができたらしい。 名前はユリ。 ・・しかしなんとユリは熊のぬいぐるみだった! 戸惑いました。 映画では「Ted」「パディントン」「プリグズビー・ベア」・・、数えきれないほどぬいぐるみは登場している。 演出家は映画監督でも活躍しているのでこの流れを狙ったのかもしれない。 しかし映画は特殊撮影ができるが演劇は違う。 もろに現実に戻されてしまいますね。 パラフィリアでも狙っているのか?
いろいろ想像しながら観ていると、二度目の同じ場面では人間の彼女が登場したのでやっと落ち着けました。 ぬいぐるみはテーマである愛とはあまり関係がない。 結局恋愛は上手くいかず彼女の方はサークルの中を渡り歩くようになる。 それは真面目に愛について考えた結果としてです。 しかもギャグが濃い舞台なのでバカバカしさと同時に青春のほろ苦さも感じます。 役者たちはゴツイですね。 独特な雰囲気の青春群像を出現させています。
演出家は2012年に「リリオム」を舞台化している。 登場する女もユリと言う名前です。 リリオムもユリも愛しているのに告白できなかった。 銀次の行動はリリオムを思い出させます。
*ゴジゲン第15回公演作品
*劇団サイト、http://www.5-jigen.com/img/gojigen_main_b.jpg