■ファーザー

■振付:ピーピング・トム
■世田谷パブリックシアタ,2017.2.27-3.1
■老人ホームが舞台です。 全うな人生を歩んできた人でも時空が歪む境界かもしれない。 それが率直に舞台に現れている。
そしてあのクニャクニャ踊りが! 突然踊りだす。 生と死の非連続性を感じさせます。 これで「A LOUER」のクニャクニャ踊りよりエントロピーが増大してしまい流れが一層バラバラになってしまった。 場面間をもう少し意味ある繋げ方にしたほうが謎が深まって面白さが出たと思います。
トムの舞台は劇的な入口に立てるのですが中に入っていけないもどかしさがある。 身体崩壊が肉体を意識させるからでしょう。 同じような場面が多い寺山修司とは違います。 ところで日本の役者は今回も世田谷住民の人でしょうか? 一味違う香辛料が入ったような舞台にしていました。