■Ne ANTA ネアンタ

■演出:藤田康城,出演:安藤朋子,山崎広太
■シアタートラム,2015.11.5-8
■男がベッドに座っている。 女の男への妬みのある声が聞こえてくる。 声が止み電灯が点滅し窓の外が明るくなる。 男はベッドを離れカーテンを開閉めした途端、上手ドアが開く。 冷蔵庫に女が近づく。 男は女に気付かずドアを閉めてベッドに戻る。 これを何回か繰り返す。 少しずつ背後の白壁が観客に迫ってくる・・。
男の静かな動きはとてもいい。 目つきもなかなかである。 激しく踊る場面もあったが意味に凝り固まっている動きである。 多分女の声を振り払いたいからだろう。
女が冷蔵庫に近づくところもなかなかいい。 まるで「貞子」のようだ。 しかしドアからの登場は現実に引き戻されてしまった。 動きや視線が観客に媚びているからである。
演劇なのかダンスなのか? 男はダンス身体で演劇に近づこうともがいている。 女は演劇にもダンスにも近づけない。 女は演劇身体でダンスに近づきもがくはずだったのでは? しかし辿りつけなかった。 いや最初から声だけなのだ。
「ネエアンタ」(2013年)
*チラシ、http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage54852_1.jpg?1446762454