■颱風奇譚

■作:ソン・ギウン,演出:多田淳之介,出演:チョン・ドンファン,小田豊,パク・サンジョン,永井秀樹,マ・ドゥヨン,チョン・スジ,夏目慎也
■東京芸術劇場・シアターイースト,2015.11.26-29
■ソン・ギウン作は何回か観ていますが科白はいつもハッキリと聞こえる。 この聞こえ方はハングル語と日本語の関係より大陸と島国の違いにみえます。
1920年代アジアが舞台ですが「テンペスト」を基にしている。 アントーニオが朝鮮王で日本軍人や日本人の妻が彼を取り囲んでいるということです。 「カルメギ」の「かもめ」より嵌まっていますね。 物語の骨格だけを利用しているが違和感がありません。
話は日本の統治問題に進みます。 付き添いの日本海軍軍人が「すべてはアジアの為」からアントーニオを殺そうとする。 前朝鮮王プロスペロとアントーニオの争いも絡めて当時の東アジアを描けるのが日韓共同作品の面白いところです。
God Bless Baseball」もそうですがテーマ「融解する境界」で国家間を議論するのは頼もしい。
*2015年F/T「融解する境界」参加作品
*主催者、http://www.festival-tokyo.jp/15/program/typhoon/