■地上に広がる大空-ウェンディ・シンドローム-

■作・演出:アンジェリカ・リデル
■東京芸術劇場・プレイハウス,2015.11.21-23
■のっけから自慰場面が出てくる。 これなら後は何が出てきても動じることは無い。 とは言いながら日本語字幕の非表示個所や「怒涛のモノローグ」より「怒涛の演説」が似合う過激な場面が続く。 しかも繋ぎにアニマルズ・バージョン「朝日のあたる家」がガンガン鳴り響く。
途中ワルツを数曲踊る場面があった。 最初の曲は「南京路・・」だったか?  曲も演奏も素晴らしい。 上海人カップルの踊りもよかった。 前後の激しさからスローな世界が開ける鮮やかな転換である。
若さの喪失が作品のテーマらしい。 「ピーターパン」のウェンディと詩人ワーズワース迄は追えたが途中この若さを見失ってしまった。 若さは自由の特殊解かもしれない。 「もっとも憎むべき人は、私を生んだ母」。 共同体から逸脱しその根源さえも破壊する言葉である。 自由の獲得を模索し生まれ変わったウェンディの演説を聞きに行ってきたようだ。
*2015年F/T「融解する境界」参加作品
*F/Tサイト、https://www.festival-tokyo.jp/15/program/wendys-syndrome/