■桜の園

■作:A・チェーホフ,演出:鵜山仁,出演:田中裕子,柄本佑,木村了,宮本裕子,平岩紙
■新国立劇場・小劇場,2015.11.11-29
■神西清訳本が手元にあったので読んでから劇場に向かいました。 本との違いは大学生トロフィーモフが結構しっかりしていたこと、家庭教師シャルロッタの道化面が強く出ていたこと、そして商人ロパーヒンの性格が思っていた以上に極端だったことの三点です。 でも戯曲より舞台の方が何倍も面白かった。
ラネーフスカヤと兄ガーエフは退廃しつつあるロシア貴族の雰囲気がもっと欲しいところです。 二人を見る周囲の人々と調和が取れていなかったからです。
終幕、ロパーヒンとヴーリァが結ばれなかったことに胸が締め付けられる。 変化していくロシア時代のうねりと混ざり合って何とも言えない感情が湧き起りました。 チェーホフを題材にした舞台は結構観ているのですが原作に忠実な作品を観るのもたまにはいいですね。
*NNTTドラマ2015シーズン作品
*劇場、http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/150109_006139.html