■ゾンビオペラ「死の舞踏」

■作曲:安野太郎,ドラマトゥルク:渡邊未帆,美術:危口統之
■にしすがも創造舎,2015.11.12-15
■ゾンビ音楽とはヒトではなくて機械が楽器を使い演奏することらしい。 つまり「ヒト+楽器→演奏」が「機械+楽器→演奏」に変わる。 今回の木管や金管楽器はヒトの呼吸圧量や唇振動で発音するので機械演奏は見たことがない。
しかし登場する楽器は息や唇よりも肺や指を意識している楽音である。 演奏すると言うより音を出すレベルに留まっている。 関係者は苦労しているようだが、異なる音楽や技術を議論する以前の趣味の話で終わってしまっている感じだ。
コンプレッサの替わりに役者の体重で鞴を膨らませ楽器に空気を送りながら叫んだり、スピーカから聞こえる機械音も規則性はあるがオペラからは程遠い。
「西暦4001年宇宙人が飛来しゾンビ音楽は地球史の物語として解釈され、人類本来の歴史はなかったことになる」と語るのは面白い。 しかし音楽のように<ある規則性>を記述する無生物は他の高等生物が作ったと考える宇宙人も多いだろう。 画面には英語訳が必要。
*F/Tフェスティバル・トーキョー2015「融解する境界」参加作品
*F/Tサイト、http://www.festival-tokyo.jp/15/program/zombie-opera/