■オテロ

■作:W・シェイクスピア,作曲:G・ヴェルディ,指揮:Y・ネゼ=セガン,演出:B・シャ,出演:A・アントネンコ,S・ヨンチェーヴァ,Z・ルチッチ,D・ピタス
■東劇,2015.11.14-20(MET2015.10.17収録)
■疑念と嫉妬が渦巻く舞台はみていられない。 それでも二人の死へと続く茨の道を見届けたい。 オテロもデズデーモナも無難な歌唱だけど心理描写が表面的にみえる。 演出は過剰だけど声を含め肉体が精神にまで食い込んでいかないの。 二人は飛躍が必要ね。
悪の化身イアーゴの凄さが飛びぬけていた。 インタビュでもアントネンコはルチッチに従っているだけなの。 イアーゴの調子が良過ぎるのもイアーねぇ。
演出家は監獄だと言っていたけど曇りガラスの壁や建物が町並みのように見える舞台よ。 物語を邪魔しないシンプルな立方体でとてもよかった。 休息中に12台のカメラで撮っている話があったけど、これでは舞台が切れ切れになってしまう。 もっと少ないほうが観易くなるわ。 今回は新演出だったけど旧よりも感情表現が派手になっている*1。
*1、「オテロ」(MET,2012年)
*METライブビューイング2015作品
*主催者サイト、http://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2015-16/#program_02