■霊感少女ヒドミ

■作・演出:岩井秀人,映像:ムーチョ村松,劇団:ハイバイ
■アトリエヘリコプタ,2014.10.18-27
■ドアのある白い部屋壁が立てかけてある単純平坦な舞台です。 そこにカラフルな映像を映し出します。 ドアから生身の役者だけでなく映像の人も出入りしたり、実際の舞台模型を映写した後、舞台に大きな手の一部を翳したりしてします。 「劇中劇」と同じく「像中像」と言うようなものです。 面白い舞台ですね。
元彼を事故で失った彼女の宅で話が進みます。 新彼が訪ねてくるのですが亡霊の元カレが邪魔をします。 元カレの無念さが表れています。 彼女は新カレと一緒になるのですがやはり捨てられてしまいます。 ・・彼女は自殺してしまいます。 
多彩な映像と同期を取るため役者の静止場面が多い。 存在感を強調できます。 でも身体から湧き出る演劇的存在ではなくプラスチックのような美術的存在にみえます。 
自殺する電車内の映像ではト書きというか作者の語りが入ります。 小説を読むように聞こえてきます。 しかし演劇的感動が少ない。 ト書きが舞台を無化してしまったようにみえます。 小説のようなト書きを無くして生身の役者と映像美術で固めプラスチック的な存在を追求した方が劇的舞台は迫ってくるはずです。
上演時間が一時間で物足りなさが残りました。 この原因も時間の短さではなくて終幕に<文学>を出してしまったからでしょう。
*CoRich、https://stage.corich.jp/stage/58820