■ドン・ジョヴァンニ

■作曲:W・A・モーツァルト,指揮:R・ヴァイケルト,演出:G・アサガロフ,出演:A・エレート,妻屋秀和,M・ヴィンゴ,C・レミージョ,P・ファナーレ,A・ミコライ,町秀和,鷲尾麻衣
■新国立劇場・オペラハウス,2014.10.16-26
■舞台はチェス盤を意識しているのかしら? ルークとナイトでできたカルーセルや墓地石像の周囲は同じナイトが見張っているの。 光沢の盤上をゴンドラが滑っていく光景は固くて冷たい。 これでドン・ジョヴァンニとレポレッロのコンビも理性的な雰囲気が強くでているのかしら? このため「女たらし」というよりは一つの世界観を演じているようにみえる。 歌詞「世界中の女を愛する・・」が引き立つ舞台ね。
それと歌手たちの歩数があと二歩ずつ少なければ流れに緊張感がでたとおもう。 一幕は舞台がだだっ広かったからよ。 ときどき静寂を感じる面白い舞台だったけど。
二幕になって固く冷たい舞台に溶け込むことができたわ。 「まずは私の大切な人を」「なんというひどいことを」等々のアリアをじっくり聞くことができた。 オッターヴィオとエルヴィーラは調子が良かったみたいね。 レポレッロはもう少し声に重みがあった方いい。
地獄に落ちる場面は何時観ても壮絶だわ。 そしてジョヴァンニを除いた勢揃いの大団円は物語の余韻を高めていた。
*NNTTオペラ2014シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/141016_003716.html