■カップで自分を量るがいい

■作:土田英生,演出:須藤黄英,出演:演劇集団ツチプロ
■下北沢OFFOFFシアタ,2014.10.15-21
■人間関係の極めて良好な人が急に崩れてしまう。 主人公鳩村真人の顔を見ただけで周囲は吐き気を催す。 仕事関係ばかりか家族・友人もエボラ感染が急速に広がるように人間関係は悪化していく。 ・・展開と結末はどうなるのか楽しみに観ていた。
虐めや差別問題を描くのかとみていたら少し違うらしい。 世界との交わり方を問題にしているようだ。 自分が変わったのか?世界が変わったのか? しかし原因は生物学を越えた異常なものにみえる。 その流れは一層強まる。 彼は自殺?をするがその直前素晴らしい演説をしたとか、足が地面から浮いていたなどが語られる。 最後は聖人として祭り上げられる。
チラシに「・・世界はすごい勢いで流れている。 世界つまり量るものが変われば自分なんてすぐに見失ってしまう・・」と書かれている。 速い流れの中で、人間関係を高次元で結びつける<宗教のようなもの>とどう対峙していけばよいのか? この種の質問をしたかったようだ。 しかし対峙する鳩村の妹の彼氏山瀬はその場を黙って去るだけである。
前半は結婚や職場での人間関係の面白さが出ていた。 しかし後半は急ぎすぎて芝居を観ているというより説明を聞いている感じだ。 チラシに書いてあるように流されてしまった舞台にみえた。
*劇団サイト、http://tsuchipro.com/contents10.html