■トリップ・トリプティック-フランス印象派ダンス-

演出:平山素子
新国立劇場・中劇場,2013.6.7-9
旅行鞄を持ち歩いていたが旅をテーマにしているようだ。 でもそのようにはみえない。 サティの音楽は旅よりも散歩が合う。 実際犬も散歩していた。 意識して印象主義音楽に合わせるような振付である。 平山の振付は野球バットが撓うような強さと速さがあるのでどうにも合わない感じだ。 前半は方向が定まらず分解しそうな流れであった。 小道具も使い過ぎである。
後半、「ボレロ」でやっとダンスに入り込めてきた。 初めて観客から拍手があったことでもわかる。 終幕までのシルヴェストリンとの踊りも最高である。 サティのピアノも馴染んできた。 ともかく終わり良ければすべて良しだが、前半のバラバラ感はいただけない。
ところで中劇場の椅子は座っているとズレてきて体型が崩れてしまう。 どうも滑り易い布のようだ。 椅子も大きい。 オペラハウスの椅子よりも大きい感じだ。 この中劇場はいつも落ち着かない。 できればここでの観劇は避けたいのだが。