■ホフマン物語

指揮:T・ネトピル,演出:R・カーセン,出演:J・アーチボルト,S・コッホ,A・M・マルティネス,S・セッコ
みゆき座,2013.6.14-27
三つのネスト構造でできているの。 これは外側からミューズの登場と退場、中側に酒場での談笑の開始と終了、内側にはオランピア、アントニア、ジュリエッタが登場する三つの語りの流れ。
舞台もとても面白い。 アントニアの時は<オーケストラピット>と<舞台>が、そしてジュリエッタでは<観客席>が<舞台>に作られているの。 多分一幕の<酒場>は<劇場>内にあるはず。 これで舞台上に作られた<劇場>の中だけで物語が進んでいくようにみえる。 <>の空間も二重構造ね。 
いつものバスティーユ劇場だから広々としていて気が抜けたように感じる。 歌唱も響きすぎね。 三つの物語も繋がっていないから弱い。 自動人形のオランピアは楽しかったけど。
この作品は構造が内容を規定しているの。 ネストを横切るとき、つまり構造間を移動するときに感動が発生するから。 SF作品ではよくあるけど、内容より構造で感動するなんて滅多に無いことだわ。