■不道徳教室

作・演出:岩松了
シアタートラム、2013.6.8-23
女子高校生が先生を好きになるのは昔から山ほどあります。 しかし先生側がしっかりガードしているから騒ぎが大きくならない。 でもこの芝居は山城先生の生き方が見えません。 特にあかねに対しての心の有り様がです。 二人は同じような精神年齢行動をとっています。 お互いがループ状態です。 前に進められないので過去と未来の違いに拘ってしまうのです。
岩松了の芝居はいつも青春時代の寂しさを感じさせてくれます。 残念ながら今回は質の良い寂しさが現れません。 上に述べた理由があるからです。 そして役者間の猜疑心のある見る・見られる関係も強すぎたからでしょう。
ところでグレイとは何でしょうか? 野良犬かホームレスか? 最後まで疑問符でした。 秘密基地もこの物語には合いません。 三人の女子高生の動きはよかったですね。 制服もです。 女子高校生の制服力は衰えていません。