■おやすみおかえり

作・演出:大池容子、出演:うさぎストライプ
こまばアゴラ劇場、2013.6.5-11
床の簀子と裸電球で柔らかみのある舞台空間を作っているの。 天井に傘を逆にぶら下げているから間接光になって尚更ね。 セリフを喋るとき身体を動かす方法を採っていてよりダンスに近い。 そして段落間ではエンジン代わりの音楽と照明を変化させて物語を進めるの。 これで癖がなくシンプルなリズムのある舞台ができるのね。
しかも子供の頃の遊びや日常生活を題材にしているので全てを聞き流しあまり考えないで舞台を観てしまう。 でも解放感は思ったより得られないわ。 日常の些細な事の積み重ねばかりで、何かが鬱積していく感じね。 終幕に役者全員で壁を押すけど、これは作者も同じ状況に陥っているのよ。 この時代特有な閉塞感を表現しようとしている芝居と言ってもよいかもしれないわね。