■真夏の夜の夢

■作:W・シェイクスピア,潤色:野田秀樹,演出:宮城聰,出演:SPAC
■静岡芸術劇場,2011.6.4-5
■木々と梯子で奥行と縦の立体感を出しグレー系の落ち着きのある舞台美術。 衣装も料理屋従業員の白から、妖精達の灰色、メフィストフェレスの黒までの無色、そしてそぼろだけワイン色なのは彼女の夢だったから?
野田の言葉優先から来る緊張感ある舞台と違って宮城の言葉と身体を対等に置く表現は落ち着きのある宇宙を作り出している。 メフィストの登場で善悪・恋愛・人生などを反芻することができて、観客は物語に深く分け入りながら進んでいくことができるの。
最後に恋愛の行き違いから森を失ってしまうのをみて人間の些細な出来事の積み重ねが歴史だと見えてくる。 「グリム童話」と違って今回はちょっと複雑。 だから観後の帰り道に舞台を思い返すごとに充実感が増していくのね。
*劇場、http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/nightsdream.html