■瑠璃の舞台ー杉本博司オペラ座への挑戦ー  ■舞踏劇「鷹の井戸」

□瑠璃の舞台-杉本博司オペラ座への挑戦-
■出演:杉本博司,観世銕之丞,語り:高橋美鈴
■NHK,2020.2.15
■美術家杉本博司演出のパリ・オペラ座公演「鷹の井戸」の制作映像番組。 杉本は言う、「死生観をもう一度問いたい」「始原に戻りたい」と・・。 彼の作品(写真)には無機から有機が発生するその時の気配が感じられる。 始原の気配を強く意識してしまう。 ここに見応えがある。 さて、舞台の出来はどうだろう? 早速観ることにする(下記に感想)。
*NHKサイト、https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259677/index.html
□舞踏劇「鷹の井戸」
■原作:W.B.イエイッ,構成.演出:杉本博司,振付:アレッシオ.シルベストリン,作曲:池田亮司,衣装:リック.オウエンス,出演:観世銕之,リュドミラ.パリエロ,ユーゴ.マルジャン,アレッシオ.カルボーネ,舞団:オペラ座バレエ団
■NHK,2020.2.20(パリオペラ座,2019.9.22収録)
■演出家が気にしていた瑠璃色の良し悪しはテレビではよくわからない。 生の舞台を観たいものだ。 老人の銀、若者の金そして井戸を守る鷹の赤、衣装の色と形が面白い。 離散した音玉が時々聴こえる電子音楽も作品に合っている。 長いヒゲは邪魔にならないかな?
腕や手を意識した振付でバレエから離れる。 コンテンポラリー系に近い。 飛天を描いた前半の群舞は照明の都合で見え難かったが後半はまあまあだ、が手首の動きは雑にみえ、指の動きは大劇場では意味をなさない。 若者と鷹のパ・ド・ドゥは申し分なし。 なんと終幕に能のシテが登場する。 老人の生まれ変わりらしい。 カーテンコールの拍手は弱かった。 観客が戸惑っている様子だ。 オペラ座のバレエ舞台に能を乗せたのは演出家のパワーだと思う。 天晴杉本博司!
*パリ・オペラ座350周年公演
*NHKサイト、https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2020-02-19&ch=31&eid=04822
*「このブログを検索」に入れる語句は、 杉本博司