■アクナーテン

■作:フィリップ.グラス,演出:フェリム.マクダーモット,指揮:カレン.カメンセック,出演:アンソニー.ロス.コスタンゾ,ジャナイ.ブリッジゥ,ディーセラ.ラルスドッティル他
■新宿ピカデリー,2020.2.21-27(MET,2019.11.23収録)
■ジャグリングを舞台に乗せるとは面白い。 大道芸人がボールやクラブを空中投受させ動きを繰り返す曲芸のことね。 フィリップ・グラスのミニマルとは相性が良いはず(?)。 彼の舞台に似合うのはスローモーション又は演奏にシンクロすること、つまりジャグリングは後者に該当するから。 もちろん作品はこの相反する両方の動きを取り込んでいるの。
そしてもう一つ、グラスの舞台では睡眠と覚醒がやってくることに注意が必要。 今回も2幕後半でウトウトしてしまった。 ヴァイオリン抜きヴィオラは独特の音色感がある。 この流れに乗ることができて他のパートは覚醒し続けたわよ。 ミニマル・オペラに感動するとはこの純粋へと突き進む覚醒の流れに乗れるかどうかだと思う。
話をジャグリングに戻すけど、ボールやクラブを眼で追うのが邪魔になる場面があった。 眼で追うことが誤りかもしれない。 視覚と聴覚を統合化しようとする脳味噌の苦労がみえるから。 それでも第3幕は何とも言えない心地よさを感じることができたわよ。 やはりスローな動きでなきゃだめかも。 
ところでA・R・コスタンゾが脱毛したら声(カウンターテナー)が良くなった話には笑っちゃった。 そして、やっとオペラ三部作すべてを観ることができて嬉しい。 一番は「浜辺のアインシュタイン」かな。
*METライブビューイング2019シーズン作品
*METサイト、https://www.shochiku.co.jp/met/program/2086/
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