■まほろばの景2020

■作.演出:柳沼昭徳,音楽:中川裕貴,出演:阪本麻紀,澤雅展,あべゆう,小菅紘史,小濱昭博,劇団:烏丸ストロークロック
■東京芸術劇場.シアターイースト,2020.2.16-23
■初めての劇団ですが、役者たちが白足袋を履いているのに先ず目が行ってしまいました。
・・主人公の青年は福祉関係の仕事をしている。 彼の担当している若者が行方不明になってしまった。 若者を探しに山へ入るが、そこでは彼の思い出?、いや過去なのか未来なのか区別のつかない場面が次々と現れてきます。 それは東北地方の故郷で神楽を踊ったこと、東日本大震災で家族が被災したこと、熊本地震ボランティアへ行ったこと、行方不明の若者の家族を訪ねたこと、友人と将来の仕事を話し合ったこと等々をです。 そして山で出会う人々は皆「懺悔懺悔六根清浄」と掛け念仏をしながら登っていく。 若者も唱和し登る・・。 このようなストーリーだったはずです。
民間伝承や山岳修行を思い出させてくれる為か身体に響くものがある。 すんだ餅や過去帳、山伏の話も懐かしさがある。 神楽を舞う場面もいいですね。 仕事上での、災害での、他者への対応で迷ってしまった若者が山へ登り六根清浄を目指す理由はジワッと分かる気がしました。 罪罰がはっきりしない場合が人生では多々ある。 意識や無意識にそれがジワッと残っていく。 これを祓おうとする意思が舞台に表れていた。 役者たちの動きや発声に安定感がみえたからです。 再創作公演の為でしょうか? 凝縮力がある。 白足袋を履いている成果もでている。 でも物語として曖昧な感想が残ってしまったのはしょうがない。
*劇場サイト、https://www.geigeki.jp/performance/theater233/