■作:フリードリヒ.シラー,台本:スティーブン.スペンダー,翻訳:安西徹雄,演出:森新太郎,出演:長谷川京子,シルビア.グラブ,三浦涼介,吉田栄作,鷲尾真知子,山崎一,藤木孝ほか ■世田谷パブリックシアター,2020.1.27-2.16 ■映画を観てから劇場に行こうか? 迷いましたが観なかったのは正解です。 一瞬先がどうなるかドキドキの連続でした。 ハンナとメアリの暗い過去の話を、次にモーティマのイタリア旅行回想を聞いてぐぐっと舞台に引き込まれていきました。 カトリックを強く意識する幕開きですね。 キリスト教宗派の違いが構造をしっかりと支えている。 そしてエリザベス女王の白化粧が冴えていました。 仮面にもみえる。 メアリの化粧や衣装と対比が際立っている。 外見は違うが二人とも業が深い、かつ我も強い。 両者の確執がこの芝居の見所ですが宿命も感じられます。 その女王を取り巻く3人の家来、レスター伯、法務方バーリー、事務方タルボットの性格や行動の違いも彼女らに劣らない。 契約・義務・権利の言葉の裏側に疑心や保身そして愛憎を塗りこんで物語が進められる。 誰もが敵か味方かを見定めたい。 メアリが神父メルヴィルに告解をする場面がクライマクスでしょう。 告解で身近に迫った死をメアリと観客の双方が受け入れ演劇のカタルシスを貰えるからです。 しかし3人の家来が女王から逃げていくのを呆然としたエリザベスをみながら、この舞台はメアリ以上の存在感がでていたことも確認しました。 歴史劇だけあって科白に硬さがみえるのはしょうがない。 台詞量が多いこともある。 告解も言葉の優位からくる感動が大きい。 その中で言葉を越えていたのがモーティマでしょう。 彼の身体は活きていました。 *劇場サイト、 https://setagaya-pt.jp/performances/marystuart20200102.html *2020.2.8追記・・ ■二人の女王,メアリーとエリザベス ■原作:ジョン.ガイ,監督:ジョージー.ルーク,出演:シアーシャ.ローナン,マーゴット.ロビー ■(イギリス,2018年作品) ■芝居観後に観てしまいました、映画を、原作者は違いますが。 メアリとその周辺つまり、スコットランド帰還からジェームス6世誕生そしてスコット...