■め組の喧嘩

■出演:中村勘三郎,中村扇雀,中村橋之助,中村勘九郎,中村萬太郎ほか
■東劇,2017.11.15-(平成中村座,2012.5収録)
■科白量が多いせいか密度の濃い舞台に仕上がっていた。 それも夫婦、親子、親分子分、喧嘩相手など多様な対話劇だから最高だ。 鳶職と相撲力士の対立も珍しい。 役者の身のこなしや喋り方が型にはまっているので観ていても惚れ惚れしてくる。 喧嘩の預かり方、煙草の吸い方、草履の履き方、法被の着方、契りの交わし方、茶代や心付けの出し方、喧嘩前の清め方・・。 全てが新鮮である。
何故こんなことで喧嘩を始めるのか? 帰って調べると江戸時代に実際にあった乱闘事件らしい。 しかし舞台の喧嘩場面は門切り型に見える。 大団円としてまとめた感じだ。 背景を開き東京スカイツリーが遠くに見えるなか現代の神輿が登場するオマケもある。
良質な科白のお蔭で江戸庶民の人間関係が生き生きと見えてくる舞台だった。 もちろん役者たちは申し分ない。
*シネマ歌舞伎第29弾作品
*作品サイト、http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/36/