■ノルマ

■作曲:V・ベッリーニ,指揮:カルロ・リッツィ,演出:デイヴィッド・マクヴィカー,出演:ソンドラ・ラトヴァノフスキー,ジョイス・ディドナード,ジョセフ・カレーヤ
■新宿ピカデリー,2017.11.18-24(MET,2017.10.7収録)
■舞台は薄暗い灰青色で統一されていて静寂感が漂っている。 歌手たちの動きは少ない。 歌唱に専念できそうね。 1幕途中は淡々と進むから客席から鼾声が聞こえてきたわよ。
でも物語の飛躍が突然にやってくるの。 それはノルマとアダルジーザの場にポッリオーネが突然入ってきて三角関係が明らかになる場面、2幕に入りノルマがローマ軍に戦いを挑むところでポッリオーネが掴まり引き出される場、そしてノルマが「裏切者は自分だ」と宣言する場面。 この非連続とも言える3場面にスタッフ・キャストの賭けというか意気込みが感じられる。 神に繋がる愛にも拘わらず人間愛が微かだけど滲み出ているからよ。
今シーズンのオープニング作品に持ってきた理由が分かる。 歌唱も演奏も美術も全てが一つにまとまっている。 微妙な細部を詰めている。 リッツィも役者顔負けの指揮ね。 脂が乗り切った演出家マクヴィカー渾身の舞台だった。
*METライブビューイング2017作品
*作品、http://www.shochiku.co.jp/met/program/91/