■芝居-PLAY-

■作:サミュエル・ベケット,演出:長堀博士,出演:杉村誠子,吉田奈央宇,大迫健司,劇団:楽園王
■サブテレニアン,2017.11.15-19
■先ずはト書きだけを上演します。 3人の役者が台本を持ちながら担当個所のト書を喋る。 役者への開始指示と簡単な状況、スポットライトの動きが主な内容です。 ト書き以外の個所は「・・セリフ」としか言わない。 結構なト書き量です。
一通り終わると次はセリフ部分だけを上演します。 消灯され真っ暗な場内になる。 役者は歩き回り控室や観客席の後ろで喋ったりする。 耳に空間的な目眩を覚えます。 光が無いので台詞を噛み締めてしまう。 言葉がクッキリと浮かんできます。 そして終幕、照明が灯き窮屈な壺の中にいる動きをしながら残りの台詞を喋って幕が下りる。
舞台は巧くまとまっていました。 面白い構成ですね。 作品を因数分解したような舞台でした。 役者が戯曲を因数分解した後に観客が展開し直して作品を組み立てる。 作品イメージが元戯曲からズレてしまう。 この差異でいろいろなことを考えてしまう。
前回観た「お國と五平」も役者と科白が一対一になっていなかった。 どちらも戯曲と舞台が多対多になり作品をあらゆる方向から演じ観ることができる。 いやー、マイリマシタ。
*板橋ビューネ2017「生活者の表現を取り戻せ」参加作品
*主催者サイト、https://itabashi-buhne.jimdo.com/
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