■さよならだけが人生か

■作・演出:平田オリザ,出演:青年団
■吉祥寺シアター,2017.6.22-7.2
■「劇団の出世作だ」とチラシに書いてある。 観ていて分かる気がしました。 それは・・
「・・もっともくだらない人情喜劇を描いている」と言ってるが恋愛と結婚のことのようです。 でも恋や愛の二人称ではなくて他者を介する恋愛つまり噂話のようです。 これでくだらないと言っているのでしょう。 それでも具体でも抽象でもない話が延々と続いていく気持ち良さが既にみえています。
青年団の舞台では「うるさい人」がよく登場する。 彼らは目立たないようにしてエンジンを吹かせストーリーの速度調整や観客の眠気を覚まします。 しかしこの作品の「うるさい男」は出突っ張りでしかも五月蠅い。 「静かな演劇」への過度期の面白さがあります。
そして縄文人が陰で動いている。 仮面を付けての登場で観客を別の世界へ連れて行ってくれる。 その入口で縄文人が現れるのを待つ。 舞台の原点が取り込まれています。 
以上3点が上手く生きていた。 役者の入退場や科白も邪魔をしていません。 出世作に納得です。
*劇場サイト、http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2017/03/76.html