■血の婚礼  ■フラメンコ組曲  ■カルメン

■原作:F・G・ロルカ,振付:アントニオ・ガデス,芸術監督:S・アラウソ,出演:クリスティーナ・カルネロ,アンヘル・ヒル,アントニオ・ガデス舞踊団
■振付・照明:A・ガデス,芸術監督:S・アラウソ,出演:ステラ・アラウソ,ミゲル・ララ,A・ガデス舞踊団
■原作:P・メリメ,振付:A・ガデス,カルロス・サウラ,芸術監督:S・アラウソ,出演:バネッサ・ベント,アンヘル・ヒル,A・ガデス舞踊団
(以上タイトル順3作品のスタッフ&キャスト)
■東京都写真美術館,2017.7.1-14(マドリード王立劇場,2011年5月収録)
■テアトロ・レアルを見るのは初めてかもね。 劇場ファサードと周辺の景観、豪華な金銀色の場内装飾どれもが素晴らしい。
様式美からくる感動がある。 これはスペインの「能」ではないかしら? 最初にみた「血の婚礼」は特にそうおもう。 でも物語からくる感動は少ない。 決闘で二人が倒れ花嫁が悲しむ場面も、嫉妬に狂ったドン・ホセがカルメンを刺す場面も静かな感情でみてしまったからよ。
それより女性ダンサーの肉体が生々しい。 「カルメン」の群舞は闘鶏場の鶏たちにみえてしまった。 野性味満点だわ。 その中で「フラメンコ組曲」の最初の作品に登場した小太りオバサンのようなダンサーは凄い。 生々しさを技巧的境界線上で昇華して踊っていた。 身体が崩れそうで崩れない。 帰って調べたけど多分この人がステラ・アラウソかもしれない。
衣装も明暗のある照明に映えていたわね。 黒のマンティージャを付け扇子を持つカルメンを舞台でみるのは初めてかな? そして闘牛士が歪んだ鏡の前で衣装を着けていく場面も様になっていた。 舞台はミニマムだけどスペインがギュッと凝縮されていた3作品だったわ。
*館サイト、https://topmuseum.jp/contents/exhibition/movie-2810.html