■ダンサー、セルゲイ・ポルーニン

■監督:スティーヴン・カンター,演出・撮影:デヴィット・ラシャベル,出演:セルゲイ・ポルーニン
■新宿武蔵野館,2017.7.15-(2016年作品)
■突然いなくなってしまったセルゲイ・ポルーニンのドキュメンターを観ることができて嬉しい。 ポルーニン自身の言葉から、家族や友人の話から彼の生い立ちや今の姿がみえてくる。
10歳を過ぎた頃からダンサーになるために生まれてきたのが素人目にもわかる。 19歳でのロイヤルバレエ入団時の実力はプリンシパル以上だわ。 それがあっという間に崩れてしまった。 いくつもの薬を飲み舞台に向かう姿は凄絶としか言いようがない。
「ポルーニンには子供時代が無かった」。 彼の親友(名前は忘れた)の言葉に頷いてしまったの。 子供時代は人生の宝よ。 そして家族の離散から彼は目標を見失ってしまう。 ポルーニンは両親、特に母と対峙していく。 ダブルバインドから抜け出せない。
彼はロシアに戻りバレエ団監督(名前は忘れた)に師事するの。 これは父親不在の補完で母親との関係の繰り返しかもしれない。 この作品は母と和解したようにして終わっているけどそうは見えなかった。 全てをバレエに捧げてきたことが素晴らしいことだったと心から納得するまではね。 それはいつか来る。
*作品サイト、http://www.uplink.co.jp/dancer/