■初めてなのに知っていた

作・演出:坂手洋二,出演:燐光群
■ザスズナリ,2014.3.16-31
デジャヴを発病した「患者」を隔離政策として瀬戸内海?孤島の療養所へ送り込む話のようだ。 そこではデジャヴで未来予知の研究もしている。 「・・初めて見る海なのに懐かしい感じがする」。
海を見たこともない人がなぜ初めての海を見て感動するのか? 星空も・・、初めてなのにそれが何であるか知っているからである。 夢や無意識、暗黙知、精神病などを素材にデジャヴを拡張・発展させ能などを射程に入れている作品である。
しかし素材が絡み過ぎて何が言いたいのか分かるようで分からない。 能の説明が何度もあった。 どうしても能とデジャヴの関係性を論じたいようだ。 この強行が芝居をつまらなくしている。 題名の通りである。 「能は初めてなのに知っていた」ような物語を作って欲しかった。