■ルサルカ

作曲:A・ドヴォルザーク、指揮:Y・ネゼ=セガン、演出:O・シェンク、出演:R・フレミング、P・ペチャワ、MET 
東劇、2014.3.1-7
妖精が王子に恋をする神婚説話と言ってよいのかしら? 人間になるための条件として喋れなくなるの。 オペラでは考えられない! でもこれを逆手に取って歌手も物語も減り張りを持たせることが出来たようね。
舞台は森や池に湿度感が漂っているし、旋律もスラブ系が感じられていつもと違う。 1・2幕はこの雰囲気に引き込まれてしまったわ。 でも3幕まで続かない。 ルサルカと王子は並の近代西洋様式へ収斂されてしまったの。
「自然からはみ出た人間」、「呪われた人間、呪われた情熱」が恋しいのよ。 でもパリやヴェネチアでは作れない面白さがあったわ。 ドヴォルザークの苦労の跡が見えるような作品ね。 フレミングは素敵だった。 適役よ。