■宅悦とお岩-四谷怪談のそのシーンのために-

作・演出:岩松了
下北沢駅前劇場,2014.3.7-23
舞台上手に現代、下手に江戸の時代差のある幕開きは素敵だったわ。 どっぷりの四谷怪談じゃないのね? 青春群像劇かな。 芝居裏側の稽古風景を覗けるのも楽しい。 活きの良い台詞がリズムある舞台を作っていて心地良い。
でも後半は錆びついてきた感じがするの。 ヤクザの女に手を出す一件が目立ちすぎたんじゃないかしら? お岩役(名前忘れた)の尾上への非難もちょっとヒステリックだし、小道具の滝沢の不可思議な行動も理解できなかった。
登場しない演出家の妻を作家の安藤があれだけ持ち上げるのも戴けない。 現実的な物語から外れてしまい統一感の無い舞台になってしまったのね。 このため男と女の思いやりやホロ苦さが起ち上がらなかった。
カスケードは既に3年前。 今回は二匹目のドジョウを狙ったようだけどハズレね。