■日本橋

作:泉鏡花,演出:齋藤雅文,出演:坂東玉三郎,高橋恵子,松田悟志
東宝シネマズ系,2014.3.20-(日生劇場,2012.12収録)
科白も役者の動きも、そして衣装も音楽も一切が明治時代からやって来たようです。 江戸・明治の作品はよく観ますがこのような感覚に出会ったのは久しぶりです。 人々の対話の中にも当時の時間が流れているのを感じます。
お孝玉三郎のあの独特な喋り方や声も生きていました。 それは競争相手清葉が存在することにより緊張感が出たのでしょう。 巡査や火消?、甘酒屋や飴屋の印象も残りました。 芸者の着物や髪型に視線を向けさせるのも面白い。 作品を厚くしています
「天守物語」「海神別荘」「高野聖」と異形の作品が続きましたが、明治時代でもこれほどの目眩を観客に与えるとはさすが泉鏡花です。 演出家や出演者のコラボの良さは言うまでもありません。
*シネマ歌舞伎作品