■甘露

作・出:西尾佳織,劇団:鳥公園
三鷹芸術文化センタ,2013.10.25-11.2
広い空間をつまみ食いしているような舞台である。 奥まで行ってインスタントラーメンにお湯を入れたり、高い窓からデートをしたりだ。 声が響くので聞き耳をたてる必要もあった。 デート以外では劇場の使い方が成功しているとはいえない。
父娘や会社の同僚、同窓会の話があるので昔友達など人間関係はある程度わかる。 しかし興味のわかないストーリーである。 女教師の初めてのデート場面が記憶に残るくらいか。
内と外の関係に興味があるらしい。 肉体に関しての話題、特に口腔から肛門までの食事・排泄や臭いの話、国の内から外への亡命の話などある。 そして数万年後の人類の話が二度もでてくる。 種の生成滅亡も長い期間ではありうることを言いたいらしい。
チラシを読んだら「・・・感情より原初的な人間の性質を知りたい。 長いスパンを考えたい。 ・・」。 しかし恋愛や仕事、結婚のことで手一杯な感じである。 知りたいことや考えたいことが舞台とは関係のないところで演じられていたようである。