■セールスマンの死

作:アーサ・ミラ,演出:中島諒人,出演:鳥の劇場
新国立劇場・小劇場,2013.11.9-10
この作品はいつも同じ観後感を持ってしまう。 「幸せは同じ顔をしているが、不幸はみな違う顔をしている」。 逆である。 「幸せは違う顔をしているが、不幸はみな同じ顔をしている」。 職業の不幸は人を同じ顔にしてしまう
母と子は喪服姿である。 ビフは少年時代、大学時代と現在の3人が登場する。 喪服を基準に時間の流れを舞台に可視化できていて面白い。 時々観客に扮した変なオバサンが二人でてきて漫才をする。 唯一の笑いでホットさせてくれる。
鳥の劇場は初めて観た。 特に兄は身体から湧き出る喋り方をする。 日中韓の複数言語の使用もそうだが鈴木忠志の影響がある劇団にみえた。
しかしこの作品は強い。 ビフはそのまま日本の社会に当てはめることができる。 そして資本主義の浸透力は舞台上のあらゆる小細工を無意味にしてしまう。